Leap Motion社のARヘッドセット「Project North Star」を3万円で2019年に組み立てた
こんにちは。 SHOWROOM xR Lab エンジニアの @izm です。
xR LabはSHOWROOMの中でxR領域に関連する事業に取り組んでいる部署で、僕は主にR&D(主にUnity)を行っております。
LeapMotion社が主となりオープンソースで開発しているProject North Star(以下NorthStarとします)と言う高視野角で光学シースルーなAR-HMDがあります。
こういうUIや触り心地を実現できて、特に光学シースルー(現実の世界の視界を阻害しない)点や、広視野角な点から他には無い使い方が出来る点で話題になりました。
https://developer.leapmotion.com/northstar/
NorthStar自体は2018年6月に設計図がオープンソースで公開されてから半年以上が経ち、各所で組み立てノウハウが溜まっています。
そんなわけで僕もそろそろNorthStarを組み立てて遊んでみようと思いパーツ類を発注したりプリントしてきました。
先行例と比較して今回はお財布になるべく優しく作れないか、という点を気にしながら作っていきます。
//しかし、公開半年経っても新しいLeapMotionモジュールが未発売とは思わなかったなあ…
余談
ウキウキで組み立てている最中の今週( 2019/1/25 )、本家からHardware Update 3が入って、より頭に被りやすい構造のCADデータのファイルが公開されました。
組み立て記事をアップロードするタイミングとしては 最悪 ですが、Hardware Update3でも光学系やセンサーはそのままなので、そんなに差は無いということにしましょう!
Project North Star: Mechanical Update 3 - Leap Motion Blog
最初にまとめ
簡易版NorthStarは合計 およそ3万円程度 で組み立てることが出来ました。
世間の組み立て情報との差異としては
- リフレクターを Smart Prototypingから調達( Project North Star Lens ) Deutsche Post Airmailで送料込み45ドルで18日程度でした。
- 3Dプリンタは自宅のWanhao D6を使用(DMM 3Dプリントより精度は落ちるホビーユースですが、フィラメント代だけで刷れて安価)
- Wanhao D6で刷れるように大きなパーツは分割する
です。
安価なリフレクター入手が出来るようになったことと、私物3Dプリンタを使えることで、先行例よりお安く出来る、という作戦です。
僕の場合はLeapMotionや動作用PCや各種ケーブルは既に手元にあったので、純粋な出費という意味では 2万円を切っています 。お得!
「これを揃えればOK」な参考URL
リフレクター Project North Star Lens
ねじ2x L6 250個入り https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00MIA826O
リフレクター用接着剤 https://www.amazon.co.jp/dp/B01LXM65A1
LeapMotion https://www.amazon.com/dp/B00HVYBWQO/ (LeapMotionは2019/1/26時点だと国内の安定供給が無い為、 米Amazonがおすすめ)
HDMIケーブルなど…適当
6000(リフレクター) + 6000(LCD) + 1400(ねじ) + ヘッドギア(1100)+ 9800(LeapMotion) + 3Dプリンタフィラメント代(3000円くらいのやつ)
で、おおよそ3万円しませんね。お安い!!!
Top Coverは見た目が良くなる以外に意味がないので、少しでも安く作る場合はプリントしなくても大丈夫です(今回は含めていません)
STLファイルは以下の2個の組み合わせの内、必須なパーツだけを抜き出しています。
exiiiさんはネジの規格統一や、各種補強、今回使うLCD用のホルダーデータの改変をしてくださってます。ありがたいです!
Ryo Kosaka (@tnctrekit) | Twitter さんが 150mmまで対応の家庭用3Dプリンタで対応できるような改造済みのデータを 公開してくださってます。ありがたいです!
exiiiさんの簡易版NorthStar向けstlファイル https://exiii.jp/2018/07/19/project_north_star_jp-2/
20cmサイズのプリンタに合わせたstlファイル Project North Starを作る① - Open E-drums
組み立ての様子
最も時間が掛かるのはリフレクターなので、先にリフレクターを発注します。
リフレクターが届いたら、おもむろにプリンタをゴリゴリ使って出していきます。
ねじ穴がいっぱいあるので、速度はゆっくり目で、どの向きを上にするかは考えて適当に刷っていきます。
適当なパラメータで印刷して失敗しても1リール3000円とかで何個も作れるので、気にせず失敗していきましょう。
全部プリントできました。壮観ですね。サクサク組み上げていきます。
普通にネジとドライバーだけでバシバシ組みあがります。
(公開されているNorthStar向け3Dプリント部品データは精度が低い家庭用3Dプリンタでも組み立てられるように、かなり親切な設計だと思います。)
ヤスリとかピンバイスを用意したのですが、今回はまったく出番がありませんでした。すばらしい!
リフレクターも完成品のまま届くので接着剤で取り付けて完成です!
組み立て工夫ポイント
純粋に簡易版North Starを作ると、LCD用電源USBケーブル2本、LCD用HDMIケーブル2本、LeapMotion用USB3.0ケーブル、の計5本がヘッドセットから伸びることになって、すごくドキドキします。
なので、LCD用電源ケーブルだけはY字ケーブル+モバイルバッテリーを頭の後ろにカウンターウェイトとして取り付けておきます。
すると、LeapMotion用USBケーブル+ LCDでHDMIケーブル*2の合計3本がヘッドセットから伸びることになります。
3本のケーブルならギリギリ許せそう(?)です。
簡易版NorthStarで3000円LCDを使うパターン(つまり、このエントリを参考にして組み立てる場合)は このケーブルセットを使って、モバイルバッテリー運用にしておくとケーブルごちゃごちゃ感が減って良いかと思います。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0085P8WGQ/
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0722NG2MR/
結びと今後の展望
ちょっとAR-HMDがあると実現できるソフトウェア、というのを思いついているので、また報告したいと思います。
また、皆様も3Dプリンタを用意してしまえば、リフレクターの入手性向上も相まって、お手軽にProject NorthStarを作ることが出来ます。 一家に一台とは言いませんが、気軽にトライしてみてはいかがでしょうか。
SHOWROOM xR LabはNorth Starを作ってる最中に新ハードウェアアップデートが発表されても挫けない精神を持ったエンジニアの仲間を募集しています。
よろしくお願いします。